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| 意識・前意識と無意識【conscious,preconscious and unconscious】 |
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心理的現象を理解するために、フロイトが仮定した心のシステムの一つ。心の表層から深層に向けて、垂直に三つの領域を仮定し、それぞれを意識、前意識、無意識と区分した。
このシステムは「局所論」ともいわれる。一般的には無意識とは、ある時点で意識的に気づくことのできない心的な内容を示す言葉だが、精神分析的には、無意識は主に「抑圧」という防衛機制により、前意識一意識系に到達するのを拒まれた、「抑圧」された内容によって形成されているものである。前意識は無意識よりも意識に近く、「抑圧」されきれていない内容によって形成されており、意識化しようとすれば可能な領域である。フロイトは心のシステムをさまざまな方向から、仮定し理論化しました。この意識、前意識、無意識を局所論的観点として説明したのです。つまり心のしくみの一つとして心の中に三つの領域を仮定しました。この三つの領域は簡単にいえば「意識できること」、「よく考えれば意識できること」、「まったく意識できないこと」になります。 |
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いま、あなたはこの文章を読んでいます。その理由はたまたま、なんとなく読んでいるだけかもしれませんし、心理学に興味があるからかもしれません、いろいろな理由があるでしょう。こうして、自分で考えて思いつく理由は「意識できること」です。それでは、もう一つ深い意識を探してみましょう。「あなたはなぜ心理学に興味があるのでしょうか」あるいは「あなたはなぜ他の文章ではなくこの文章を読んでいるのでしょうか」。こうして次々に自分に質問してみてください。ある程度のところで答えが出なくなってくると思います。そこまでが「よく考えれば意識できること」の範囲です。つまり、意識・無意識の領域です。そして、その先が「まったく意識できないこと」の領域になります。
しかし、よくわからないと感じるものがすべて「無意識」の中にあるのかといえばそうではありません。「無意識」の領域にあるものは、わざわざ「抑圧」という防衛機制を使って、意識、前意識から排除されているわけですから、それだけの理由がある事柄です。それでは、この「抑圧」により「まったく意識できない領域」の中に閉じ込められたものとはいったいどういうものなのでしょう。
フロイトは精神分析という治療法を始める以前にヒステリー症状をもった患者さんに対して催眠療法を行っていました。この治療法は、たとえば患者さんの症状が失立失歩(ヒステリーの症状で、器質的な異常がないのに立てなくなり、歩けなくなる)だとすると催眠状態にして「あなたは立って歩けるようになる」と暗示をかける療法です。
このような暗示をかけることで一時的に症状が消失する人もいたのです。あるときフロイトが、ある患者さんに暗示にかけるためこの催眠状態にしたところ、それまで話されたこともなかった自分の過去のつらい思い出を次々に話し出したのです。
そして、暗示を与えなくても症状が消失してしまいました。何例か同じような治療を行った結果、その患者さんたちが、症状をつくり出すもとになった苦痛に満ちた体験や強い罪悪感を呼び起こすような体験、さらには激しい怒りや悲しみを伴った体験などを心の意識できない領域に閉じ込めており、それを思い出すことが症状の一時的な軽快をもたらすことに気がつきました。
この出来事からフロイトは、私たち人間は意識できている事柄以外に、日常の生活の中では「まったく意識できない領域」をもっており、その領域は常に、私たちの行動や考え方、さらには、精神症状の発現や形成に対して強い影響力をもっていると考えました。そして、これを「無意識」と名付けました。では、事例を説明してみましょう。→vol.02へ
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